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1F-pers

U Building Project・・銀座のテナントビル計画    提案日:2008.09

Concept 

<計画概要>
銀座の裏通りに面した一角に,「一言で説明できるビル」という要求に応えるべく計画したテナントビルの提案。壁面緑化をファサードに施し,外からも中からも緑を楽しみ,それが硬質な周辺の建物に対して,変化し続ける新たなシンボルとなる建築を目指した。レンタブル比はもちろん,様々な設備的な要求もあったが,提案Aおよび提案Bの2案のファサードデザインを提案しつつ,この建築におけるコンセプトをより個性的なものとしていった。

<提案A>
いくつか,疎密の違いのある緑化パネルをモザイク状に配置して,ファサードを構成した案。外観はもとより,その疎密による光と陰の内側からの風景に,ポエティックな特性を持たせた。

 

<提案B>
提案Aのオータナティブとしての提案だが,建物の顔となる壁面全体を壁面緑化システムに頼ることは,建物の独自性を既存のシステムに依存することでもあり,今後,他のビルで同じ手法を用いられた場合,どんどん新鮮みが薄れていく可能性がある。銀座という場所柄,ジャパンオリジナルのデザインが求められることも予想されることから,日本的なモチーフを用いることは,今後の有効なデザイン戦略になりうると考えた。そこででは,日本の伝統的民芸である「竹籠」をモチーフに,ファサードの構成を試みた。

「竹籠」パターンは,縦材と横材を編込んでいく行為により,表面に凹凸を生じさせるとともに,その地と図の不規則なプロポーションが独特の日本的な表情を作り出す。
その縦材と横材を薄い鉄板で作り,そこにツタ状の緑化を施すことで,その厚みのある金属の表情と,そこに絡んでいく緑のコントラストを,新たなファサードデザインとして提案した。


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